先日あるブログを見ていたら、本分の1文字目だけサイズと色を変更するってのをやってました。これどうやってんのかなと思って CSS を見てみると、:first-letter という疑似クラス指定でした。こんなのまでCSSにできてんのかと思って調べたら、IE5.5あたりから実装されているらしい。知らなかった。
HTMLは5になってむしろシンプルになったという印象だけど、CSSの複雑怪奇さはすでに素人の手に負えるものではなくなっている。しかし、そんなことを気にしなければ、HTMLなんて10個か、せいぜい20個くらいの要素(一般にはタグといいますが、正確に要素と書きます)を知っていれば十分。html,head,body,h?,ol,ul,li,a,img,table,tr,th,td と、まぁそんなもんでしょう。つまりは一見複雑怪奇に見えるWebページもすごくシンプルに記述することができるわけ。複雑さの深い淵を避けて通れば何も怖いことはない。
2013年2月25日月曜日
2013年2月12日火曜日
遠隔操作ウィルス事件のもう一つの怖さ
遠隔操作ウィルスを使って他人のコンピュータに忍び込んで殺人や爆破予告をする。そんなことが本当に簡単にできるのだろうか?
たとえば「遠隔操作 ウィルス」や「遠隔操作 バックドア」といった検索語で Google 検索してみれば、そのようなソフトウェアがわりと簡単に手に入ることはわかる。しかしそれらを使おうとすれば、かなり怪しげな英語のサイトのドキュメントを読みこなして、その手口をしっかり学ばなければならない。しかも、それらのソフトがウィルス対策のターゲットになってしまえばそのままでは使えない。そうすると、また新しいウィルス技術を学んだり、仕組みを知って自分でオリジナルを作る必要がある。ウィルスソフトが作れるようになるには、それなりにプログラミングスキルが必要で、おそらくプログラマの100人に1人くらいのレベルだろう。
しかも、ネットワークの足跡を消すテクニックにも熟達しなければならない。こちらも、英語力とネットワーク知識をしっかり持っていなければ、とてもじゃないが手ごわい話である。私はたいしたプログラマじゃないけど、時間とお金が与えられても自分でできるとはとても思えない。
つまり、すぐに見つかってしまうようなウィルスは簡単にできるけれど、今回の事件で使われたウィルス対策ソフトで検知できないようなものはそう簡単ではないのである。しかも配布するときにもリスクがある。足がつかないようにするのは簡単ではない。容疑者として逮捕された人が真犯人かはまだ分からないが、生半可なスキルの持ち主ではないのは間違いないし、そんなスキルを正当に役立てられなかったことが残念で仕方がない。
ところで、この事件。無差別殺人や爆破を予告をしたとする「威力業務妨害罪」あたりが妥当な罪状であろう。殺人や爆破などの重大犯罪そのものではないし、脅迫罪の適用も難しいのではないだろうか。警察の捜査をかく乱し、誤認逮捕を生み、冤罪一歩手前までいって事件が大きくなったけれど、この手の犯罪予告は日常的に行われている。予告.in を見れば 2chやブログは殺人予告だらけである。ほとんどの事件は報道すらされない。捜査しても書き込みをした本人にたどり着けないことも多いだろうし、デキ心の遊び半分だったと反省し不起訴になる例もあるだろう。
今回特に注目されたのがネットワークの足跡を消すという方法が巧みに使われている点だ。原理的には世界中で自由に捜査できれば、犯人にたどり着くことは可能だが、そんなことはあり得ない。有効な捜査を展開するためには、あらかじめ世界各国の怪しいネットワークに「遠隔捜査ウィルス」を忍び込ませてスパイ活動をするか、さもなくば怪しいネットワークへの接続を国レベルで切断する中国のような方法をとるしかない。
現在も残っているかわからないが、かつて米国はあらゆる電波や通信網を盗聴し分析するエシュロン(Echelon)というシステムを運用していたといわれている。
ややスパイ映画じみてきたが、世界中の基幹ネットワークの多くが Cisco のルーターで構成されているとしたら、そこに秘密裏に何かのハードウェアを組み込んでおいて、こっそりと通信を傍受するといったことは原理的には可能だ。さすがにそんなことは行われていないと思いたいけれど。「テロとの戦い」で、インターネットの通信をいかに傍受するかというのがテーマであることは自明で、米国をはじめとする各国がどこまで手を汚しているかはうかがい知ることができない。
警視庁は、ネットワークを追いかける捜査の難しさに気がついて、真剣に考え始めているはずだ。Nシステムといわれるカメラ網が今回有効だった事を考えると、いかにネットワークに「手を突っ込む」かを検討しているだろう。たとえば、ネットカフェや Wi-Fiネットワーク網により詳細な情報の記録を要請したり、プロバイダにより突っ込んだ要求をしてくる可能性もある。そしてそれは秘密裏に計画され、一見してそれとはわからない法律の改正や解釈論だけでおこなわれるかもしれない。
犯人の「警察にひと泡吹かせてやりたい」という目的が、結果としてネットワーク監視社会の基礎を作るきっかけになるという、皮肉な結果をもたらす危険をはらんでいるということだ。ネット選挙がこの夏から解禁になると噂される今、この事件を通して考えなければならないもう一つの問題だと思っている。
たとえば「遠隔操作 ウィルス」や「遠隔操作 バックドア」といった検索語で Google 検索してみれば、そのようなソフトウェアがわりと簡単に手に入ることはわかる。しかしそれらを使おうとすれば、かなり怪しげな英語のサイトのドキュメントを読みこなして、その手口をしっかり学ばなければならない。しかも、それらのソフトがウィルス対策のターゲットになってしまえばそのままでは使えない。そうすると、また新しいウィルス技術を学んだり、仕組みを知って自分でオリジナルを作る必要がある。ウィルスソフトが作れるようになるには、それなりにプログラミングスキルが必要で、おそらくプログラマの100人に1人くらいのレベルだろう。
しかも、ネットワークの足跡を消すテクニックにも熟達しなければならない。こちらも、英語力とネットワーク知識をしっかり持っていなければ、とてもじゃないが手ごわい話である。私はたいしたプログラマじゃないけど、時間とお金が与えられても自分でできるとはとても思えない。
つまり、すぐに見つかってしまうようなウィルスは簡単にできるけれど、今回の事件で使われたウィルス対策ソフトで検知できないようなものはそう簡単ではないのである。しかも配布するときにもリスクがある。足がつかないようにするのは簡単ではない。容疑者として逮捕された人が真犯人かはまだ分からないが、生半可なスキルの持ち主ではないのは間違いないし、そんなスキルを正当に役立てられなかったことが残念で仕方がない。
ところで、この事件。無差別殺人や爆破を予告をしたとする「威力業務妨害罪」あたりが妥当な罪状であろう。殺人や爆破などの重大犯罪そのものではないし、脅迫罪の適用も難しいのではないだろうか。警察の捜査をかく乱し、誤認逮捕を生み、冤罪一歩手前までいって事件が大きくなったけれど、この手の犯罪予告は日常的に行われている。予告.in を見れば 2chやブログは殺人予告だらけである。ほとんどの事件は報道すらされない。捜査しても書き込みをした本人にたどり着けないことも多いだろうし、デキ心の遊び半分だったと反省し不起訴になる例もあるだろう。
今回特に注目されたのがネットワークの足跡を消すという方法が巧みに使われている点だ。原理的には世界中で自由に捜査できれば、犯人にたどり着くことは可能だが、そんなことはあり得ない。有効な捜査を展開するためには、あらかじめ世界各国の怪しいネットワークに「遠隔捜査ウィルス」を忍び込ませてスパイ活動をするか、さもなくば怪しいネットワークへの接続を国レベルで切断する中国のような方法をとるしかない。
現在も残っているかわからないが、かつて米国はあらゆる電波や通信網を盗聴し分析するエシュロン(Echelon)というシステムを運用していたといわれている。
ややスパイ映画じみてきたが、世界中の基幹ネットワークの多くが Cisco のルーターで構成されているとしたら、そこに秘密裏に何かのハードウェアを組み込んでおいて、こっそりと通信を傍受するといったことは原理的には可能だ。さすがにそんなことは行われていないと思いたいけれど。「テロとの戦い」で、インターネットの通信をいかに傍受するかというのがテーマであることは自明で、米国をはじめとする各国がどこまで手を汚しているかはうかがい知ることができない。
警視庁は、ネットワークを追いかける捜査の難しさに気がついて、真剣に考え始めているはずだ。Nシステムといわれるカメラ網が今回有効だった事を考えると、いかにネットワークに「手を突っ込む」かを検討しているだろう。たとえば、ネットカフェや Wi-Fiネットワーク網により詳細な情報の記録を要請したり、プロバイダにより突っ込んだ要求をしてくる可能性もある。そしてそれは秘密裏に計画され、一見してそれとはわからない法律の改正や解釈論だけでおこなわれるかもしれない。
犯人の「警察にひと泡吹かせてやりたい」という目的が、結果としてネットワーク監視社会の基礎を作るきっかけになるという、皮肉な結果をもたらす危険をはらんでいるということだ。ネット選挙がこの夏から解禁になると噂される今、この事件を通して考えなければならないもう一つの問題だと思っている。
- 遠隔操作ウイルスによる連続威力業務妨害等事件(警視庁)
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/jiken/jikenbo/enkaku/enkaku.htm - 予告.in
http://yokoku.in/index.php - エシュロン(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AD%E3%83%B3 - 犯罪予告(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8A%AF%E7%BD%AA%E4%BA%88%E5%91%8A
2013年2月11日月曜日
バレンタインとゴディバの抵抗
Photo By Darwin Bell [CC BY 2.0] |
10代のころは当然もらって嬉しかったりしたわけですが、くださった方々との恋が成就することはほとんどなかったわけで、子供ながら単なる日本の贈り物文化の一部なのだと諦め半分に思っていたほどです。
30歳代半ば頃には、逆にチョコを女性に配るという日本のバレンタインに対する抵抗運動を展開したこともありましたが、一方的に相手に喜ばれるばかりで、私のほうが喜ぶような事は何一つなく、これも2年ほどで止めてしまいました。
ある調査によりますと、近頃のバレンタインは恋愛をどうにかするというよりも、年中行事的に贈り物をする、自分のために買うという感覚が強くなっているのだそうです。
お歳暮やお中元、土下座やハラキリのような日本の伝統文化の一部として、日本化され、消化されつつあるのでしょう。Cool Japan というやつです。
さて、この連休のある日の夕方。デパ地下でバンドエイド型の義理チョコ大袋を横目で見ながらお弁当を買っておりましたら、Godiva (ゴディバ)が目に入りました。
Godiva って高級かつ上品な大人の雰囲気と思っていたのですが、今は違うのですね。高級イメージはなくなったのかしらと思うほど派手なピンクの装飾でチョコもカラフル。時代が変わったのでしょうね。給与が上がる見込みもないし、消費税も上がりますし。
この Godiva。日本では「ゴディバ」と発音しますけれど、アメリカのある空港にある店では「ゴダイバ」と呼んでおりました。「ほう!なーるほど、本場ではそのように発音するのか」と知って、日本に帰ってきてモノシリ顔で吹聴しておりました。そしたら、ちゃんとした国際人の友人に「欧州ではゴディバが正解で、英語だと di は ダィって発音しちゃうのよね~」と教えられてしょんぼり。でも、そのおかげで Godiva に俄然興味がわいてきました。
Godiva のWebサイトを調べると、1926年にベルギーのブリュッセルで店を出したのが始まりだとか。ベルギーチョコというのはおいしいことで有名ですが、Godiva もその一つなんですね。名前は、11世紀のイギリス女性 Lady Godiva(ゴダイヴァ夫人)に由来するのだそうです。Wikipedia で調べたら、この女性はイングランドのある領主の夫人で、夫の領民に対する圧政に異議をとなえたところ、夫から裸で市中を行進したら聞き入れるとからかい半分で言われて、それをやってのけたという伝説のある人なのです。
Lady Godiva by John Collier |
チョコレート会社のゴディバは、その名の由来を大切にして、今も女性を支援する活動や世界の子供たちに食糧を届けるFEED プロジェクトを支援するといった、The Lady Godiva Programという活動にひと肌ぬいで社会貢献しているそうです。すばらしい会社ですね。
話は変わりますが、先日あるニュースで World Naked Bike Ride (WNBR)という活動を知りました。参加者ができる範囲で裸で自転車に乗ってデモみたいなことをやるという取り組みです。自動車と石油依存社会に反対するイベントなのですが、やはりイギリスを中心に取り組まれています。映像を見る限り、全裸の参加者もかなりいるという仰天のデモ。日本ではやられていないようですが、世界各地で取り組まれているとか。この映像は、2012年のロンドンの様子です。
World Naked Bike Ride - London 2012 - Part 1
どうですか、この限りなく平和で爽快感あふれるイベント!しかも、メッセージを発信できるなんてすごい。アメリカやカナダなどの映像も YouTube で見つけることができます。警察も取り締まったりすることなく、平和的なイベントとして参加者も楽しんでいるようですよ。
WNBRのサイトにあるドキュメントを読みますと、ゴダイヴァ夫人の勇敢さに対する敬意が記されています。また、裸で抗議するというスタイルは、増税などへの抗議行動で行われることが多いようで、ゴダイヴァ夫人の逸話は欧州の人にはなじみのあるものなのでしょうね。残念ながら日本ではやろうとしても無理でしょう。でも、こんなやり方カッコイイよね。
そうそう、 このブログ読んだかもしれない男子にゴディバのチョコをプレゼントする時は、それなりの覚悟が必要かもしれないよね。よけいなお世話ですか?
参考
- 働く男女のバレンタイン実態調査2013
http://www.macromill.com/r_data/20130131valentine/index.html - Goviva(ベルギー)
http://www.godiva.be/en/godiva-chocolatier-since-1926 - 恋人たちの愛のほつれを直す、特製バンドエイド「CHOCO-AID」(Gizmodo)
http://www.gizmodo.jp/2009/02/chocoaid.html - ゴダイヴァ夫人
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%82%A1%E5%A4%AB%E4%BA%BA
2013年2月4日月曜日
山を作る人
くまもとのジイちゃんが
「山ば作られるカミサマはおられっとよ」と、夏休みに川で遊んでいるときに、急にボクに言った。
はじめはなんのことかぜんぜんわからなかった。
ジイちゃんは、むこう岸からことばをほうり投げるようにして、せつめいした。
「けんすけ、すなばで山ば作ったことあるとよ?いっしょけんめい、つんでも、つんでも、次の朝に見てみんしゃい。山ば、くずれとー。じゃけん、山作りのカミサマがワシらの見えんとこで、ぎゅっし、ぎゅっし、と固めておられる。ワシはずいぶん小さいときに、一度だけその音を聞いた」けんすけが川から上がると、せみの声が遠くなって日がかたむき、山のかげがおおいかぶさってくるような気がした。
こわくなって、急いでジイちゃんの手をつかんで、
「早くかえろ」
と言った。夕ごはんを食べたら、そのことはもう忘れていた。
その夜、ろうそくがゆらゆらしている部屋で、やさしい声なのにこわい顔をした変な人が、ぼくにはわからないことをつぶやいている夢を見た。
山を作るのはカミサマじゃなくて、このオニみたいな人じゃないかと思った。でも、ぎゅっし、ぎゅっしという音は聞こえなかった。
この人は山作戰という名前で、木曜10時にここに行くと会えるらしいとあとで知った。
山の写真
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